ヤバい集中力 1日ぶっ通しで冴えわたる神ライフハック45
著者 鈴木祐
著者は、鈴木祐氏
特に人間の脳の特性を理解した上で書かれているので、その手法に無理がない。
集中に関する本の中には、「わかっちゃいるけど、それは出来ないよね」
と言われる内容があったりすることが多いのですが。
本書では、そうした出来ない理由を脳科学的に的確に解説し
克服する方法を述べている。
自分には集中力ない。集中力が続かない。
こんな自分でも集中できる方法を知りたい。
本書の全体像とは
本書で、最も大きなポイントが、人間の脳の力を2に分けて解説してあることだ。
1つが【獣】≒本能
2つめが【調教師】≒理性
相反した動きを持つ二つの動きを理解することで、私たちが抱えている問題をスムーズに解決することができる。
なぜ私たちが集中できなくなるか?
という理由の大きな理由が【獣】の力に翻弄されているからだ。
獣は、難しいのを嫌い。あらゆる刺激に反応し。かつパワーが強い
こうした性質は、生き物の生存本能からきているもので、それを抗うことは非常に難しい。
一方で、私たちは、自分自身の理想に向かうために【調教師】を働かせて【本能】を制御しようとする。
例えば、
「ダイエットして理想の身体を手に入れたい、その為にお菓子を食べないようにする。」
これがうまくいくには、調教師がうまく働いて獣を上手にコントロールできる必要性があるわけですが。実際これが難しい。
なぜなら調教師よりも獣の方が圧倒的に強いから
皆さんもついついお菓子に手が伸びてしまいますよね・・・(^^;
じゃあ、どうすればいいのか?ということですが。
それを知る前に集中状態を阻害する要因を細かく見ていきたいと思います。
実は、それが分かると解決方法が見えてくるのです!
最初の関門【勉強に取りかかる前の段階】
いざ勉強をしよう!と思ってもなかなかスターットが出来ない。
そういうことってあないでしょうか?
そのスタートを上手く切れずに10分が過ぎ20分が過ぎ・・・・あれいつのまに?
という経験をしたことはないでしょうか?
集中にまず最初に大切なことは上手くスタートを切れるかどうか?
ということ。
その為に、必要な能力が2つ
①自己効力感
自己効力感とは、自分にはそれが出来るという自信があること。
この感覚がないと実際は簡単な作業だったとしても難しく感じてしまい。
なかなか一歩を踏み出しにくくなります。
②モチベーション管理能力
これは、「やる気」ですね。やる気スイッチなんていったりますが。
本書ではここあまり語られていませんが・・・少し解説しますね
誰かに言わされてただやるのを「外発的動機付け」と言いますが。
自らこうなりたい!ああなりたい!と思って行動するのは「内発的動機付け」と言います。
どちらが、集中できると思いますか?
といったら、後者ですよね。
自ら◎◎したい!という気持ちが高ければ、自然と行動に移りますし。
集中力も高まります。
逆に、「やりたくないのに、なぜ、それをしなければならないのか」と思っているものは、集中できないですよね。
次の関門【集中力の持続性】
なんとか最初の関門をくぐりぬけて、勉強を始めることが出来た。
と思っても、直ぐに集中力が途切れてしまう。こういう人も多いのではないでしょうか?
注意の持続力
成人の集中力の限界は20分だけと言われているそうです。
ということは、それ以上時間がたつと集中力のレベルはどんどん下がってしまうわけです。
この活動限界を伸ばすのは残念ながら難しいと言われているそうです。
え~!(^^;
ということですが。まずは、集中状態には限界がある。
ということを知ることが大事だということです。
永遠に集中状態に入れるわけではない。ということです。
大切なことは、それを知った上で、どうやって効率よく脳を使っていくか。
そこが勉強を効率的に進めていくポイントです。
セルフコントロール脳力(最大の関門)
本書の大きな枠を占めているのが、この部分だろう。
セルフコントロール脳力とは、【欲求】にどう打ち勝てばいいのか?
という力です。
正に強力な【獣】の力をどうコントロールしていけばいいのか。
ということです。
では、欲求には何があるかというと。
大きく二つ
①外部の誘惑
②内部の誘惑
①外部の誘惑とは
目に見えるもの全てです。多いのは【スマホ】ではないでしょうか?
電話がかかってくる。通知が表示される。スマホでゲームをしてしまう。
様々なアプリをしてしまう。など常にスマホを手に放すことが出来ない人も多いと思います。
それによって、集中モードに入ってしまったとしても直ぐにスマホが目に入り、集中が遮断してしまう。そんなことがあると思います。
それ以外にも、目の前にお菓子が置いてある。漫画本・テレビなど様々要因が、私たちを誘惑していきます。しかし、誘惑の多くは、そうした外部のものだけではありません。
②内部の誘惑とは
自分自身から生まれてくる誘惑もあります。
それは【記憶】です。
私達は、無意識で様々な記憶を連想させ簡単に意識をそらされてしまいます。
例えば、宅建の勉強であれば、「宅建士は重要事項説明書は必ず説明しなければならない」とあれば、その直後に「前に賃貸の契約をした時に、説明されたかな~」
そこからさらに「あの時に住んでた部屋は住みやすかったな~」
「近くに美味しいラーメン屋さんがあったな」・・・「おなか減った」
など、まだ学習に関連する記憶ならまだしも。
ラーメン食べたいなとなってしまったら、完全に集中力は崩壊しています。
ここで必要なのが、セルフコントロール能力です。
無意識でうごくめく無数の記憶に立ち向かうには、自己を律し続ける能力が必須になります。
集中力とは
集中力とは、単に黙々と取り組むということではなくて、作業前の難関である自己効力感・モチベーション管理能力をくぐりぬけ、取り掛かったらすぐに注意の持続力が限界を迎え様々な誘惑を制御するセルフコントロール能力が必要になるということだ。
集中力とは、こうした、複雑なプロセスをクリアしていくことが求められる。
そのため、集中力そのもに立ち向かおうとすると複雑かつ難しいものになります。
しかし、集中力を1つ1つの要因に細かく分解することで、その1つ1つをクリアすることは、決して難しいものではなくなります。
次回、ここまでを踏まえて、どのように集中力を高めていけばいいのかの具体的なテクニックをお伝えします。