令和2年(2020年)10月

令和2年(2020年10月)問13 区分所有法【宅建過去問】

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令和2年(2020年10月)問13<区分所有法>

建物の区分所有等に関する法律に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 共用部分の変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。)は、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議で決するが、この区分所有者の定数は、規約で2分の1以上の多数まで減ずることができる。
  2. 共用部分の管理に係る費用については、規約に別段の定めがない限り、共有者で等分する。
  3. 共用部分の保存行為をするには、規約に別段の定めがない限り、集会の決議で決する必要があり、各共有者ですることはできない。
  4. 一部共用部分は、これを共用すべき区分所有者の共有に属するが、規約で別段の定めをすることにより、区分所有者全員の共有に属するとすることもできる。

      

解答

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①の解説:誤り

【問題文】
共用部分の変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。)は、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議で決するが、この区分所有者の定数は、規約で2分の1以上の多数まで減ずることができる。

第17条1項(共用部分の変更)
共用部分の変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。)は、区分所有者及び議決権の各四分の三以上の多数による集会の決議で決する。ただし、この区分所有者の定数は、規約でその過半数まで減ずることができる。

2分の1以上」ではなく「過半数」なので【誤り】です。
問われている知識は、基礎ですが。正確な知識が求められています。

ちなみに「2分の1以上」と「過半数」の違いを具体的に説明すると。
100人の人に投票してもらうとすると。

「2分の1以上」とは・・・50人以上のこと
「過半数」とは・・・51人以上のこと
になります。

「過半数」とは、「半数を超えている」ことを言うということです。
逆にもし、半分の50人で変更できるとなると、半分の人が反対していると言えるわけなので、それで規約を変更出来てしまうのはおかしいなと考えられれば、過半数であることに納得ができるはずです。

知識としては基礎問題です。

②の解説:誤り

【問題文】
共用部分の管理に係る費用については、規約に別段の定めがない限り、共有者で等分する。

第19条 (共用部分の負担及び利益収取)
各共有者は、規約に別段の定めがない限りその持分に応じて、共用部分の負担に任じ、共用部分から生ずる利益を収取する。

「等分」ではなく「持分に応じて」のため答えは【誤り】となります。
こちらも正確な知識が求められます。

等分となると、持分の大きさ関係なしに、所有者の数で分けることになります。
そうすると、持分が小さい所有者であれ、持分が大きい所有者であれ、管理に関わる費用が
同じになることになります。それでは、不公平ですよね。
そこで、持分に応じて費用及び収益を収得することになっているのです。

似ている言葉でも、具体的にすると別のものとして正しく理解できます。
丁寧に言葉を読み取り、なぜそうなのかを理解して学習しましょう。
知識としては、基礎問題になります。

③の解説:誤り

【問題文】
共用部分の保存行為をするには、規約に別段の定めがない限り、集会の決議で決する必要があり、各共有者ですることはできない。

第18条(共用部分の管理)
共用部分の管理に関する事項は、前条の場合を除いて、集会の決議で決する。ただし、保存行為は、各共有者がすることができる。

共用部分の保存行為は、各共有者が単独で行えます。
基礎問題です。これはそのままですね。その為、答えは【誤り】

④の解説:正しい

【問題文】
一部共用部分は、これを共用すべき区分所有者の共有に属するが、規約で別段の定めをすることにより、区分所有者全員の共有に属するとすることもできる。

第11条(共用部分の共有関係)
1.共用部分は、区分所有者全員の共有に属する。
  ただし、一部共用部分は、これを共用すべき区分所有者の共有に属する。
2.前項の規定は、規約で別段の定めをすることを妨げない。
  ただし、第27条第1項の場合を除いて、区分所有者以外の者を共用部分の所有
  者と定めることはできない。

1項のところでは、
「共用部分」は・・・・・区分所有者全員の共有に属する。
「一部共有部分」は・・・それを共有すべき区分所有者の共有に属する

とありますので、一部共有部分とは、全員ではなくて、一部の区分所有者で共有するということになります。では、「一部共有部分」とは具体的にどのようなものをイメージするのでしょうか?

「一部共有部分」とは・・・2階以下が店舗で、3階以上が全て住宅になっているマンションってありますよね。そうすると居住用のエントランスと店舗で使われているエントランスや階段・エスカレーターが別にあったりしますが、そうした部分を【一部共有部分】といいます。
その2回以下の店舗でしか使わない共有部分なので、「一部共有部分」として言葉を分けているということです。

そして、問題ではこの【一部共有部分】を「規約で別段の定めをすることにより、区分所有者全員の共有に属するとすることもできる。」としていますが、これは条文にある通り、「規約で別段の定めをすることを妨げない。」としていますので、答えは【正しい】となります。

【一部共有部分】ということが、なんなのかよく分からない人も多かったと思います。
なので、この問題は解けなくてもOKです。

<まとめ 正解:4>
①は、基礎問題です。正確に言葉の意味を読み取る
②は、基礎問題です。正確に言葉の意味を読み取る
③は、基礎問題です。簡単♪
④は、解けなくてもOK

④が、分からなかったとしても①~③は確実に解ける問題。
そのため、消去法で得点出来ます。

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