令和2年(2020年)10月

令和2年(2020年10月)問15 都市計画法【宅建過去問】

 

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令和2年(2020年10月)問15<都市計画法>

都市計画法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 地区計画については、都市計画に、地区施設及び地区整備計画を定めるよう努めるものとされている。
  2. 都市計画事業の認可の告示があった後に当該認可に係る事業地内の土地建物等を有償で譲り渡そうとする者は、施行者の許可を受けなければならない。
  3. 第二種住居地域は、中高層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地域とされている。
  4. 市街化調整区域における地区計画は、市街化区域における市街化の状況等を勘案して、地区計画の区域の周辺における市街化を促進することがない等当該都市計画区域における計画的な市街化を図る上で支障がないように定めることとされている。

      

解答

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①の解説:誤り

【問題文】
地区計画については、都市計画に、地区施設及び地区整備計画を定めるよう努めるものとされている。

第12条の5第2項(地区計画)
地区計画については、前条第二項に定めるもののほか、都市計画に、第一号に掲げる事項を定めるものとするとともに、第二号及び第三号に掲げる事項を定めるよう努めるものとする。
一 主として街区内の居住者等の利用に供される道路、公園その他の政令で定める施設(以下「地区施設」という。)及び建築物等の整備並びに土地の利用に関する計画(以下「地区整備計画」という。)
二 当該地区計画の目標
三 区域の整備、開発及び保全に関する方針

条文では「定める」としているのと「定めるよう努める」とされているのがあります。
それを分かりやすく分けましょう。

第一号に掲げる事項を定める 「地区計画」「地区整備計画」
第二号及び第三号に掲げる事項を
定めるよう努める
「地区計画の目標」「区域の整備、開発及び保全に関する方針」

問題文では、「地区計画」「地区整備計画」を定めるよう努めるとしているため、
答えは【誤り】となります。

第十二条の四第2項(地区計画等)
地区計画等については、都市計画に、地区計画等の種類、名称、位置及び区域を定めるものとするとともに、区域の面積その他の政令で定める事項を定めるよう努めるものとする。

追加情報ですが。これらをまとめるとこうなります。

地区計画について、
都市計画に次の項目を定めるものとする
地区計画等の種類、名称、位置及び区域
地区施設
地区整備計画
地区計画について、
都市計画に次の項目を定めるよう努めるもの
とする
区域の面積その他の政令で定める事項
地区計画の目標
区域の整備、開発及び保全に関する方針

この問題は、解けなくてもOK
かなり細かい知識を要求されているため、サラッと解説を読んでおけばいいです。
それより基礎に時間をかけましょう。

②の解説:誤り

【問題文】
都市計画事業の認可の告示があった後に当該認可に係る事業地内の土地建物等を有償で譲り渡そうとする者は、施行者の許可を受けなければならない。

第67条1項(土地建物等の先買い)
前条の公告の日の翌日から起算して十日を経過した後に事業地内の土地建物等を有償で譲り渡そうとする者は、当該土地建物等、その予定対価の額(予定対価が金銭以外のものであるときは、これを時価を基準として金銭に見積もつた額。以下この条において同じ。)及び当該土地建物等を譲り渡そうとする相手方その他国土交通省令で定める事項を書面で施行者に届け出なければならない。ただし、当該土地建物等の全部又は一部が文化財保護法第四十六条(同法第八十三条において準用する場合を含む。)の規定の適用を受けるものであるときは、この限りでない。

第67条2項(土地建物等の先買い)
前項の規定による届出があつた後三十日以内に施行者が届出をした者に対し届出に係る土地建物等を買い取るべき旨の通知をしたときは、当該土地建物等について、施行者と届出をした者との間に届出書に記載された予定対価の額に相当する代金で、売買が成立したものとみなす。

都市計画事業がスタートすると、事業地内の土地は、強制的に収用されることになります。
にもかかわらず譲渡(売買)が行われるのであれば、それは事業妨害の意図がある可能性も考えられます。
そこで、そうしたリスクを防ぐために事業地内の土地建物を譲渡しようとする場合には「施行者に届け出なければならない。」としました。
なので、許可ではなく届け出のため答えは【誤り】となります。
さらに、その届出を受けた施行者は、その土地建物を買い取ることが出来ます。(土地建物等の先買い)

この問題も細かい知識を問われているので、答えられなくてもOKですが。
都市計画事業がスタートしたからと言って不動産売買を行うのに「施行者の許可」まで必要か?と言われたら、そこまで必要ではなさそうだなと推測出来ればこの問題は「誤り」と選択出来そうですね。

③の解説:誤り

【問題文】
第二種住居地域は、中高層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地域とされている。

これは「中高層住宅・・・」と書かれているとおり「第一種中高層住居専用地域」のことです。
第二種住居地域は・・・主とし住居の環境を保護するため定める地域
そのため、答えは【誤り】
基礎的な問題です。正確に言葉を覚えていなくても、解説文から【中高層住宅】と書かれているので誤りだと気づけるようになりましょう。

④の解説:正しい

【問題文】
市街化調整区域における地区計画は、市街化区域における市街化の状況等を勘案して、地区計画の区域の周辺における市街化を促進することがない等当該都市計画区域における計画的な市街化を図る上で支障がないように定めることとされている。

第13条14項イ(都市計画基準)
市街化調整区域における地区計画
市街化区域における市街化の状況等を勘案して、地区計画の区域の周辺における市街化を促進することがない等当該都市計画区域における計画的な市街化を図る上で支障がないように定めること。

条文の通りです。そのため答えは【正しい】

これも、細かい知識を求めている問題です。答えられなくてもOKです。
ただ「市街化調整区域」の目的を理解していれば、「市街化調整区域における地区計画」の内容も推測できるので、内容を見て妥当と判断することも出来ると思います。
ここは、正確な知識を学習することに時間をかける必要はりません。推測しましょう。

<まとめ 正解:4>
①は、答えられなくてもOK
②は、答えられなくてもOK(知らなくても、推測できる)
③は、基礎問題
④は、答えられなくてもOK(知らなくても、推測できる)

難度の高い問題でした。③は基礎なので確実に答えられるようになりましょう。
あとは、②④については、基礎知識を応用して推測が出来ます。
①については、判断がし難いと思います。

①②④については、時間をかけて知識を収得する必要はありません。
ここに時間をかけるのであれば、基礎知識に時間をかけましょう。

基礎知識を正確に理解して難問は、それを基に推測できる力を付けましょう。

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