令和2年(2020年)10月

令和2年(2020年10月)問19 宅地造成規制法【宅建過去問】

 

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令和2年(2020年10月)問19<宅地造成規制法>

宅地造成等規制法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。なお、この問において「都道府県知事」とは、地方自治法に基づく指定都市、中核市及び施行時特例市にあってはその長をいうものとする。

  1. 土地の占有者又は所有者は、都道府県知事又はその命じた者若しくは委任した者が、宅地造成工事規制区域の指定のために当該土地に立ち入って測量又は調査を行う場合、正当な理由がない限り、立入りを拒み、又は妨げてはならない。
  2. 宅地を宅地以外の土地にするために行う土地の形質の変更は、宅地造成に該当しない。
  3. 宅地造成工事規制区域内において、宅地以外の土地を宅地に転用する者は、宅地造成に関する工事を行わない場合でも、都道府県知事の許可を受けなければならない。
  4. 宅地造成に関する工事の許可を受けた者が、工事施行者を変更する場合には、遅滞なくその旨を都道府県知事に届け出ればよく、改めて許可を受ける必要はない。

      

解答

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①の解説:正しい

【問題文】
土地の占有者又は所有者は、都道府県知事又はその命じた者若しくは委任した者が、宅地造成工事規制区域の指定のために当該土地に立ち入って測量又は調査を行う場合、正当な理由がない限り、立入りを拒み、又は妨げてはならない。

宅地造成等規制法 第4条
1.都道府県知事又はその命じた者若しくは委任した者は、宅地造成工事規制区域の指定のため他人の占有する土地に立ち入つて測量又は調査を行う必要がある場合においては、その必要の限度において、他人の占有する土地に立ち入ることができる。
5。土地の占有者又は所有者は、正当な理由がない限り、第一項の規定による立入りを拒み、又は妨げてはならない。

条文のとおりなので、答えは【正しい】
知識として知らなかったとしても、十分推測できる問題

宅地造成工事規制区域に指定されている土地ということは、「災害が生じるおそれが大きい市街地」が想定されます。そういった意味では、「大きな被害を生む可能性がる」又は「人の命にかかわる可能性がある」のであれば、事前に調査することで、その被害に対策をうつことができるので、「正しい」と推測できる。
宅地造成工事規制区域とは、何か?を知っていることがポイントです。

②の解説:正しい

【問題文】
宅地を宅地以外の土地にするために行う土地の形質の変更は、宅地造成に該当しない。

宅地造成等規制法 第2条2号
宅地造成とは、宅地以外の土地を宅地にするため又は宅地において行う土地の形質の変更で政令で定めるもの(宅地を宅地以外の土地にするために行うものを除く。)をいう。

条文の通りで、なので答えは【正しい】基礎問題です。
ここら辺はサラッと答えてほしい問題です。
「宅地造成等規制法」に対して「宅地造成」が分からなければ、この法律の意味も解っていないことになります。初めて聞く言葉が出たらその言葉が何を意味をしているのかを分解しながら一つ一つ丁寧に理解していくことが一見遠回りのようで一番の近道です。

宅地造成とは、下記の①②における土地の形質変更のこと
①【宅地】⇒【宅地】
②【宅地以外】

土地の形質変更とは、(重要なのでこれも合わせて覚えましょう。)
①切土で2mを超えるがけを生ずるもの
②盛土で1mを超えるがけを生ずるもの
③切土と盛土を行う場合で、2mを超えるがけを生ずるもの
④上記に該当しなくても、切土又は盛土をする場合で、
 その土地の面積が500㎡を超えるもの

③の解説:誤り

【問題文】
宅地造成工事規制区域内において、宅地以外の土地を宅地に転用する者は、宅地造成に関する工事を行わない場合でも、都道府県知事の許可を受けなければならない。

宅地造成等規制法8条1項
宅地造成工事規制区域内において行われる宅地造成に関する工事については、造成主は、当該工事に着手する前に、国土交通省令で定めるところにより、都道府県知事の許可を受けなければならない。

条文のとおり、許可が必要なのは宅地造成に関する工事の場合
なので、答えは【誤り】基礎問題です。

④の解説:正しい

【問題文】
宅地造成に関する工事の許可を受けた者が、工事施行者を変更する場合には、遅滞なくその旨を都道府県知事に届け出ればよく、改めて許可を受ける必要はない。

宅地造成等規制法12条1項(変更の許可等)
第八条第一項本文の許可を受けた者は、当該許可に係る宅地造成に関する工事の計画の変更をしようとするときは、国土交通省令で定めるところにより、都道府県知事の許可を受けなければならない。ただし、国土交通省令で定める軽微な変更をしようとするときは、この限りでない。

宅地造成等規制法施行規則26条(軽微な変更)
法第十二条第一項ただし書の国土交通省令で定める軽微な変更は、次に掲げるものとする。
一 造成主、設計者又は工事施行者の変更
二 工事の着手予定年月日又は工事の完了予定年月日の変更

条文にある通りのため、答えは【正しい】
知らなかったら解けない問題ですが、これも推測出来ます。

宅地造成等規制法とは、災害を防ぐのが目的です。
ということは、【工事の内容】が変わるのは確かに問題ですが。
【施行者】が変わっても【工事内容】が変わらなければ、本来の目的は問題なく達成できるのではないでしょうか?
そう考えれば、許可まで必要かというと不要ではないのか?と推測できると思います。

<まとめ 正解:3>
①は、推測できる。
②は、基礎問題です。
③は、基礎問題です。
④は、推測できる。

正解の③は基礎問題なので確実に答えたいところ。
①と④についても知らなくても推測できる問題です。
深入りはしなくてもいいですが。推測しながら文章を読むことで、読解力や理解力もついていき、そして記憶もされていきますので、是非意識して問題を解いていきましょう!

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