令和2年(2020年)10月

令和2年(2020年10月)問23 印紙税【宅建過去問】

 

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令和2年(2020年10月)問23<印紙税>

印紙税に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 「建物の電気工事に係る請負代金は1,100万円(うち消費税額及び地方消費税額100万円)とする」旨を記載した工事請負契約書について、印紙税の課税標準となる当該契約書の記載金額は1,100万円である。
  2. 「Aの所有する土地(価額5,000万円)とBの所有する土地(価額4,000万円)とを交換する」旨の土地交換契約書を作成した場合、印紙税の課税標準となる当該契約書の記載金額は4,000万円である。
  3. 国を売主、株式会社Cを買主とする土地の売買契約において、共同で売買契約書を2通作成し、国とC社がそれぞれ1通ずつ保存することとした場合、C社が保存する契約書には印紙税は課されない。
  4. 「契約期間は10年間、賃料は月額10万円、権利金の額は100万円とする」旨が記載された土地の賃貸借契約書は、記載金額1,300万円の土地の賃借権の設定に関する契約書として印紙税が課される。

      

解答

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①の解説:誤り

【問題文】
「建物の電気工事に係る請負代金は1,100万円(うち消費税額及び地方消費税額100万円)とする」旨を記載した工事請負契約書について、印紙税の課税標準となる当該契約書の記載金額は1,100万円である。

二重課税とは(原則 禁止)
一般的に一つの課税原因(税金が課されることとされている取引や事実関係)に関して同種の租税が2回以上課される状態をいう。
こうした、二重課税は、経済的発展の阻害要因になるといわれ、さまざまな方法によりその排除が試みられている。

印紙税における二重課税の禁止
課税文書に、
1.消費税額等が区分記載されているとき
2.税込価格及び税抜価格が記載されていることにより、その取引に当たって課
  されるべき消費税額等が明らかとなる場合
には、その消費税額等は印紙税の記載金額に含めないこととされています。

この問題では、1,100万円に対して、100万円は消費税と明記しています。
消費税が、明らかになっていれば、その分は含める必要がありません。
そのため、消費税を引いた1,000万円が課税標準となります。
よって、答えは【誤り】となります。

税金における基礎用語は、しっかり押さえておきましょう。
課税標準・・・どの価格を基準とするのか
税率・・・・・課税標準に対してどのくらい支払うのか
税額・・・・・いくら税金を納めるのか
この組み合わせで、税金の支払いの計算がされています。

今回の問題では、印紙税を求めるための①課税標準が論点となっているということです。
基礎問題です。

②の解説:誤り

【問題文】
「Aの所有する土地(価額5,000万円)とBの所有する土地(価額4,000万円)とを交換する」旨の土地交換契約書を作成した場合であ、印紙税の課税標準となる当該契約書の記載金額は4,000万円である。

印紙税の課税標準一覧

この表を完全に覚えましょう。
今回の問題では、交換ですが。交換の場合は【高い方】とされているため、答えは【誤り】となります。
基礎問題です。

③の解説:正しい

【問題文】
国を売主、株式会社Cを買主とする土地の売買契約において、共同で売買契約書を2通作成し、国とC社がそれぞれ1通ずつ保存することとした場合、C社が保存する契約書には印紙税は課されない。

印紙税法 第4条5項 
「国等」と国等以外の者とが共同して作成した文書については、国等又は公証人法に規定する公証人が保存するもの国等以外の者が作成したものとみなし、国等以外の者が保存するもの国等が作成したものとみなす。

印紙税法 第5条2項 非課税文書
次に掲げるものには、印紙税を課さない。
国、地方公共団体又は別表第二に掲げる者が作成した文書

まず、国等については印紙税は払わなくてよいということです。
国は税金を納めるところなので、国が印紙税を払うのはそもそもおかしいですよね。

そして、次に印紙税は、誰が払うのか。ということ。
これは、課税文章を作成した人が渡します。
例えば、「領収書」であれば、お金を受け取った人が作成しますよね
その時、作成した人が、印紙を貼り支払った人に領収書を渡すわけです。

このお金を受けっとった者が「国」であれば、印紙を不要として相手に領収書を渡すことが出来るということです。

その為、今回の問題では、C者が保存する契約書と言うのは、国等が作成したものとみなされるため、国が課税文章を作成したということなので、印紙税はかからないとなります。
そのため、答えは【正しい】となります。

国は、税金がかからない。誰が印紙税を払うのか。
この基本が出来ていれば、十分推測できた問題です。

④の解説:誤り

【問題文】
「契約期間は10年間、賃料は月額10万円、権利金の額は100万円とする」旨が記載された土地の賃貸借契約書は、記載金額1,300万円の土地の賃借権の設定に関する契約書として印紙税が課される。

印紙税の課税標準一覧

この表を完全に覚えましょう。
土地賃貸借契約の場合、契約に関して相手方に交付し、後日返還されることが予定されていない金額(権利金・礼金など)になります。そのため、答えは【誤り】です。
基礎問題です。

 

<まとめ 正解:3>
①は、基礎問題です。
②は、基礎問題です。
③は、基礎+推測で解ける問題です。
④は、基礎問題です。

基礎問題なので、必ず解けてほしい問題です。
基礎が大事!です。

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