令和2年(2020年)10月

令和2年(2020年10月)問33 宅建業法(37条書面)【宅建過去問】

 

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令和2年(2020年10月)問33<宅建業法(37条書面)>

宅地建物取引業者Aが宅地建物取引業法第37条の規定により交付すべき書面(以下この問において「37条書面」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. Aが媒介により建物の貸借の契約を成立させたときは、37条書面に借賃の額並びにその支払の時期及び方法を記載しなければならず、また、当該書面を契約の各当事者に交付しなければならない。
  2. Aが媒介により宅地の貸借の契約を成立させた場合において、当該宅地の引渡しの時期について重要事項説明書に記載して説明を行ったときは、その内容を37条書面に記載する必要はない。
  3. Aが自ら売主として宅地建物取引業者である買主と建物の売買契約を締結した場合、37条書面に宅地建物取引士をして記名押印させる必要はない。
  4. Aが自ら売主として宅地の売買契約を締結した場合、代金についての金銭の貸借のあっせんに関する定めがある場合における当該あっせんに係る金銭の貸借が成立しないときの措置については、37条書面に記載する必要はない。

      

解答

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①の解説:正しい

【問題文】
Aが媒介により建物の貸借の契約を成立させたときは、37条書面に借賃の額並びにその支払の時期及び方法を記載しなければならず、また、当該書面を契約の各当事者に交付しなければならない。

必ず書かなければならない必要的記載事項(37条)

宅地建物取引業法 第37条2項
宅地建物取引業者は、宅地又は建物の貸借に関し、当事者を代理して契約を締結したときはその相手方及び代理を依頼した者に、その媒介により契約が成立したときは当該契約の各当事者に、次に掲げる事項を記載した書面を交付しなければならない。

表は必ず覚えましょう。私が提供している講座では記憶術を活用して効率的に覚える方法をお伝えしています。また、35条とセットで覚えるのがポイントです。

37条書面は、契約書ですので。
金額や支払い時期等を記載するのは、当然ですよね。
また、不動産という大きな取引ですので出来るだけトラブルを無くしたいわけです。そのためには、契約書を全ての当事者に渡すことで「言った言わない」がなくなりトラブルを少しでも回避できるわけです。そういった意味では、書面での交付義務を設けたのもうなずけますよね。

そのため、答えは【正しい】となります。
そんな風に、なぜそうしているのかを考えると自ずと答えは出てくるのではないかと思います。問題としては【基礎問題】です。

②の解説:誤り

【問題文】
Aが媒介により宅地の貸借の契約を成立させた場合において、当該宅地の引渡しの時期について重要事項説明書に記載して説明を行ったときは、その内容を37条書面に記載する必要はない。

必ず書かなければならない必要的記載事項(37条)

表のとおりです。完全に覚えましょう
私の講座では、こうした表を記憶術を活用して効率的に覚えていく方法をお伝えしています。

そのため、答えは【誤り】です。

ざっくりしたイメージでいうと
35条は、商品説明をしてもらい買主(借主)の判断材料が目的
37条は、契約、取引がトラブルにならないように取り決めをするのが目的

商品説明の引渡時期があっても、それは契約ではありませんよね。
契約に引渡時期が不明のままであれば、いつ取引が完了するかわからなくなってしまいます。それでは、トラブルになりかねません。
基本的な考え方が分かっていれば、答えを推測出来ますね。

③の解説:誤り

【問題文】
Aが自ら売主として宅地建物取引業者である買主と建物の売買契約を締結した場合、37条書面に宅地建物取引士をして記名押印させる必要はない。

宅地建物取引業法 第37条1項
宅地建物取引業者は、宅地又は建物の売買又は交換に関し、自ら当事者として契約を締結したときはその相手方に、当事者を代理して契約を締結したときはその相手方及び代理を依頼した者に、その媒介により契約が成立したときは当該契約の各当事者に、遅滞なく、次に掲げる事項を記載した書面を交付しなければならない。

宅地建物取引業法 第37条3項
宅地建物取引業者は、前二項の規定により交付すべき書面を作成したときは、宅地建物取引士をして、当該書面に記名押印させなければならない。

売主Aと買主Bが両方業者だったとしても、37条書面である契約書には、宅地建物取引士の記名押印が必要となります。

そのため、答えは【誤り】です。
基礎問題です。

④の解説:誤り

【問題文】
Aが自ら売主として宅地の売買契約を締結した場合、代金についての金銭の貸借のあっせんに関する定めがある場合における当該あっせんに係る金銭の貸借が成立しないときの措置については、37条書面に記載する必要はない。

任意的記載事項(37条書面)

金銭の貸借のあっせんに関する定め」というのは、【ローン特約】のことです。

自分が自宅を購入することをイメージして下さい。
多くの人は【住宅ローン】して購入するのではないでしょうか?

銀行からお金を借りる時には、「審査」が必要です。
その審査が通るとお金を借りることができるのですが。

その時、売買契約書がなければ、銀行の【本審査】が出来ないのです。
ということは、契約後に審査が通らなかったらお金を借りることが出来ないということになります。

そうなるとお金を支払うことが出来なくなり【債務不履行】で違約金・損害賠償を払わないといけない状態になりかねません。

それは、購入者にとってあまりにもハイリスクですよね?
そこで一般的な住宅の場合【ローン特約】というものを付けます。

これは、売買契約後、銀行の審査が通らなかったら手付金は、戻してもらってかつ、違約金や損害賠償も発生しません。という特約です。

これによって、購入者は、安心して契約をすることが出来る。
ということになります。
こうした内容で契約をするのであれば、当然【契約書】である【37条書面】に必要ですよね。

そのため、答えは【誤り】となります。
金銭の貸借のあっせんに関する定め」とは何か?が分かれば自ずと答えが推測できると思いますし、この37条書面の記載事項については、「必須」と「任意的」がありますが。どちらも全て覚えておけば間違いないでしょう。

これらは、私の講座の中で記憶術を活用することで短時間で効率的に覚える方法を伝えています。ササッと覚えて、他の学習に時間をかけましょう

<まとめ 正解:1>
①は、基礎問題です。
②は、基礎問題です。
③は、基礎問題です。
④は、基礎問題です。

表を完全に頭に入れること。言葉の意味を正しく理解すること。
これが出来ていれば、簡単な問題だったと思います。

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