読解力

②読解力の3つの力『対比関係』『因果関係』

前回お伝えしたのは、読解力3つの力の1つ目の『同等関係』でした。
この力が基礎となります。

ドラゴン桜2の読解力はこれだ!①読解力の3つの力『同等関係』

その上で、今回お伝えするのは残り2つの『対比関係』と『因果関係』について伝えていきたいと思います。

これを理解することで、頭の中が整理整頓され、洞察力がぐんとUPします。
参考にしているのは、この書籍です。

『対比関係』とは、「くらべる力」のこと

対比関係(くらべる)にすることで、どういう効果があるかというと。

物事が分かりやすくなる。伝わりやすくなる。
だから、その結果、頭が整理され記憶にも定着する。

例えば
【東京都の人口密度は6410だ。生活にゆとりがなくなるのも無理はない】

としたときに、1平方キロメートルに6410人いるということですが。
この数字を見た時に、「へ~」ぐらいなもので特に驚きはありませんね。

でも、
【北海道の人口密度は66だ。それに対して、東京都の人口密度は6410だ。生活にゆとりがなくなるのも無理はない】

としたら、東京は、北海道の約100倍の人口密度なのか!これは驚きだ!
たしかに生活にゆとりがなくなるよね。北海道はのびのび生活できそうだな~。
と、くらべることでそのインパクトのパワーが激変するわけです。

また、くらべることで、情報に繋がりを生みます。
東京の人口密度と、北海道の人口密度をそれぞれ単独のものとして覚えようとすると、2つの情報をそれぞれ固有のものとして覚えなければなりません。

しかし、比べることで、北海道の人口密度の100倍が東京の人口密度なんだ。
ということが分かれば、片方の人口密度さえ覚えれば、もう片方の人口密度がどのくらいなのか分かりますよね。

ということは、情報を頭に入れる時、省エネして覚えることが出来るわけです。

「くらべ方」には2つある

実は、「くらべ方」には2つあります。
1つは、【正反対】のものです。

「熱い」に対して「冷たい」
「強い」に対して「弱い」
「大きい」に対して「小さい」

など、コインの裏表のように対になるものです。
もう一つは、【ワンセット】にできるものです。

「春、夏、秋、冬」
「朝、昼、夜」
「晴れ、雨、曇り、雷」

など、一つのカテゴリーに収まるモノです。
このように、比べるものを明確にすると頭の中が整理されます。

宅建の中であれば。

【免許証】⇔【宅建士証】
【35条書面】⇔【37条書面】
【営業保証金制度】⇔【弁済業務保証金制度】

【権利能力・意思能力・行為能力】
【取得時効】⇔【消滅時効】
【保証・連帯保証・連帯債務】
【民法の賃貸借・借地借家法(借地・借家)】
【共有・区分所有法】

大きく分けると、こういったものがありますが。
それぞれの分野に対して細かく学んでいく中でも【正反対】になるもの【ワンセット】に出来るものがあると思います。

そうして「くらべる」ことで、1つの情報が、単独にならなくなります。
情報を1つ1つ単独にすると、個別に覚える必要があり頭が整理できず時間がかかります。

しかし、
1つの情報をみるとそれに対して【正反対】の情報が浮かんで来たり
1つの情報をみるとそれに対して【ワンセット】にして情報が浮かぶようにすると。

大量の情報であったとしても、頭の中が整理されスムーズに情報が出し入れできるようになります。

『因果関係』とは「たどる力」のこと

次に『因果関係』です。これは「たどる力」のことです。
「どうしてそうなったのか?」という理由を示すということです。

例えば
【この公園にはゴミ箱があった】だから【ゴミ箱を撤去した】

という文があったら、なんで??と言った感じですよね
でも、

【この公園にはゴミ箱があった】
そのため
【カラスがごみを荒らし始め、公園が毎朝よごされるようになった】
だから
【ゴミ箱を撤去した】

としたら、なるほど~となりますよね。説得力があります。
このように、原因と結果の関係においてどうしてそうなったのか?
ということを丁寧に「たどる」ことで分かりやすくなる。ということです。

原因⇔結果

「原因」には、必ず「結果」があり。
「結果」には、必ず「原因」があります。

そして、
どうしてその「原因」からその「結果」になったのか?
どうしてその「結果」は、その「原因」からきたのか?
を【原因】から【結果】、【結果】から【原因】両方から「たどって」あげることで、その因果関係に説得力をあげることが出来るようになります。

宅建の勉強でいうと。宅建は法律の勉強になります。
そして法律は、【抽象的】であり【結果】です。
裁判等で様々な判決(具体)があり、その結果法律が出来上がってくるのです。

なので法律の勉強していくと、【結果】ばかり頭に入れるようになるため、【原因】となるなぜその【結果】になったのかが分からないまま勉強している人が多いのです。
そうすると、「なぜそうなのか?」が分からないから、よく分からないまま丸暗記するしかなくなるわけです。そうした勉強では残念ながら合格できません。

その法律になったのには、必ず『理由』があります。
その理由が分かると、なぜ【ゴミを撤去した】のかが分かったように、「なるほどね。」
となるわけです。

「だから」「なぜなら」

では、どのようにその理由を考えていくのか?
ですが。

この言葉を口癖にしてください。
『なぜなら』です。

『なぜなら』という言葉は、最初に(結果)があって『なぜなら』という言葉の後に『原因』が生まれてきます。

(結果)なぜなら(原因)

この言葉を、勉強しながら意識的に使ってみましょう。
そうすると、「なぜなら」の続きが答えられないものについては、分かっていないことがわかります。

分かっていないものが見つかれば、それを答えられるようにすればいいのです。
それこそが、勉強の本質です。

逆に、詳しい説明書きがされている文章によって余計に頭が混乱することもあるかもしれません。その時は「だから」をつかってみてください。

(原因)だから(結果)

それぞれの言葉を使いこなすことで、結果→原因、原因→結果を客観的に理解することにつながります。

まとめ 「国語は科学だ!」

文章を読むにもやり方があります。
何も意識しないで読むのと、『同等関係』『対比関係』『因果関係』を意識して読み進めるかでは、理解するスピードがかわります。

特に宅建や法律を勉強する上で、こうしたテクニックを使わずただ一生懸命に覚えようとしても、実際のテストでは立ちません。

『本当の理解』をしているか。
これが、試験で問われます。

表面上の知識ではなく、テクニックを駆使して『本当の理解』をして試験に望みましょう!

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