令和2年(2020年12月)問18<建築基準法>
次の記述のうち、建築基準法(以下この問において「法」という。)の規定によれば、誤っているものはどれか。
- 建築物の壁又はこれに代わる柱は、地盤面下の部分又は特定行政庁が建築審査会の同意を得て許可した歩廊の柱その他これに類するものを除き、壁面線を越えて建築してはならない。
- 特別用途地区内においては、地方公共団体は、その地区の指定の目的のために必要と認める場合は、国土交通大臣の承認を得て、条例で、法第48条第1項から第13項までの規定による用途制限を緩和することができる。
- 都市計画により建蔽率の限度が10分の8と定められている準工業地域においては、防火地域内にある耐火建築物については、法第53条第1項から第5項までの規定に基づく建蔽率に関する制限は適用されない。
- 田園住居地域内の建築物に対しては、法第56条第1項第3号の規定(北側斜線制限)は適用されない。
解答
①の解説:正しい
【問題文】
建築物の壁又はこれに代わる柱は、地盤面下の部分又は特定行政庁が建築審査会の同意を得て許可した歩廊の柱その他これに類するものを除き、壁面線を越えて建築してはならない。
建築物の壁若しくはこれに代る柱又は高さ2メートルをこえる門若しくはへいは、壁面線を越えて建築してはならない。ただし、地盤面下の部分又は特定行政庁が建築審査会の同意を得て許可した歩廊の柱その他これに類するものについては、この限りでない。
壁面線の制限とは
道路境界線から後退する距離の制限のこと
なので、答えは【正しい】です。
基礎問題です。
②の解説:正しい
【問題文】
特別用途地区内においては、地方公共団体は、その地区の指定の目的のために必要と認める場合は、国土交通大臣の承認を得て、条例で、法第48条第1項から第13項までの規定による用途制限を緩和することができる。
特別用途地区とは
用途地域が指定されているエリアに重ねて指定され、用途地域の制限だけでは不十分な場合に、さらに細かい制限を加えたり、緩めたりする特別な地区です。
特色というと、「特別用途地区」は用途制限を緩和させることができること
「特定用途制限地域」は、「制限」という言葉が入っているとおり制限をするのがメイン。
具体的にいうと、用途地域が定められていない区域にで、制限すべき建築物等の用途を定める地域です。なので、意味としては真逆です。言葉の並びからそれを推測できるようになりましょう。
なので、答えは【正しい】です。
ここまでの知識をしっかり入れる必要はないと思いますが、確実ではないですがテクニックとしては、こうした細かい情報が論点になることは少ないので、ここで誤りにはしないと考えて他の問題を見てみるのがいいですね。
③の解説:正しい
【問題文】
都市計画により建蔽率の限度が10分の8と定められている準工業地域においては、防火地域内にある耐火建築物については、法第53条第1項から第5項までの規定に基づく建蔽率に関する制限は適用されない。
建ぺい率100%(建ぺい率に関する制限なし)
①防火地域内にある耐火建築物、かつ、建ぺい率80%区域
②公衆便所、巡査派出所、公共用歩廊、その他これらに類するもの
③建築審査会の同意を得て許可したもの(公園、広場、道路等)
建ぺい率の制限がなしになるものは、上の3つになりますので、よく押さえておきましょう。
なので、答えは【正しい】です。
基礎問題です。
④の解説:誤り
【問題文】
田園住居地域内の建築物に対しては、法第56条第1項第3号の規定(北側斜線制限)は適用されない。
北側斜線制限とは
隣の敷地に建つ建物の通風・採光の環境を確保することを目的とした制限です。
北側斜線制限は、「通風や採光の環境を確保することが目的」であることを考えれば、田園住居地域は、「農業の利便の増進を図りつつ、これと調和した低層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地域」ですので、日照に影響があるようでは、良好な住環境は経つことが出来ません。
と考えれば、知らなくても田園住居地域は北側斜線制限されるかもしれないな。と、考えることができると思います。
答えは、【過り」
基礎問題です。
下記も合わせて覚えてしまいましょう。
記憶術が出来ると、こうしたものは早く終わります。
<まとめ 正解:4>
①は、基礎問題です。
②は、迷う問題
③は、基礎問題です。
④は、基礎問題です。
②以外は、基礎問題でした。問題なく解ける実力を作りましょう。
分からない問題が1個あっても、それ以外が分かれば答えにたどり着くことが出来ます。