令和2年(2020年)12月

令和2年(2020年12月)問19 宅地造成等規制法【宅建過去問】

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令和2年(2020年12月)問19<宅地造成等規制法>

宅地造成等規制法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  1. 宅地造成工事規制区域は、宅地造成に伴い災害が生ずるおそれが大きい市街地又は市街地になろうとする土地の区域であって、宅地造成に関する工事につき規制を行う必要があるものについて、国土交通大臣が指定することができる。
  2. 宅地造成工事規制区域内において宅地造成に関する工事を行う場合、宅地造成に伴う災害を防止するために行う高さが5mを超える擁壁の設置に係る工事については、政令で定める資格を有する者の設計によらなければならない。
  3. 都道府県(地方自治法に基づく指定都市、中核市又は施行時特例市の区域にあっては、それぞれ指定都市、中核市又は施行時特例市)は、宅地造成工事規制区域の指定のために行う測量又は調査のため他人の占有する土地に立ち入ったことにより他人に損失を与えた場合においては、その損失を受けた者に対して、通常生ずべき損失を補償しなければならない。
  4. 宅地造成等規制法第8条第1項本文の許可を受けた宅地造成に関する工事が完了した場合、造成主は、都道府県知事(地方自治法に基づく指定都市、中核市及び施行時特例市にあってはその長)の検査を受けなければならない。

  

解答

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①の解説:誤り

【問題文】
宅地造成工事規制区域は、宅地造成に伴い災害が生ずるおそれが大きい市街地又は市街地になろうとする土地の区域であって、宅地造成に関する工事につき規制を行う必要があるものについて、国土交通大臣が指定することができる。

宅地造成等規制法 第3条第1項(宅地造成工事規制区域)
都道府県知事(省略)は、この法律の目的を達成するために必要があると認めるときは、関係市町村長の意見を聴いて、宅地造成に伴い災害が生ずるおそれが大きい市街地又は市街地となろうとする土地の区域であつて、宅地造成に関する工事について規制を行う必要があるものを、宅地造成工事規制区域として指定することができる。

目的は、合っていますが。国土交通大臣ではなく都道府県知事でした。
法令上の制限では、「誰が」というのが論点で出題されることが、ありますので丁寧に見ていきましょう。

なので、答えは『誤り』です。
基礎問題ですが。覚えているかどうかの問題ですね。

覚え方としては、「関係市町村長の意見を聴いて」「宅地造成に伴い災害が生ずるおそれが大きい市街地又は市街地となろうとする土地の区域」を指定するわけですが。
全国の地域を国土交通大臣が見ていくとなったら、それは大変なことです。
細やかに目が行き届くように都道府県知事に権限を与えたのではないか。
と考えると、理解して覚えられるのではないでしょうか。

超効率的勉強法のヒント
単に、「宅地造成規制法」は、「都道府県知事が指定」と繰り返し呪文のように唱えて覚えるのはやめましょう。非効率です。そうではなく、「意味(理解)」や「イメージ」で、情報を繋げると効率的に記憶出来ます。


②の解説:正しい

【問題文】
宅地造成工事規制区域内において宅地造成に関する工事を行う場合、宅地造成に伴う災害を防止するために行う高さが5mを超える擁壁の設置に係る工事については、政令で定める資格を有する者の設計によらなければならない。

技術的基準等造成主は、技術的基準に適合しているか知事の検査を申請する)

宅地造成規制法の許可をもらう為には、上記の技術基準に適合している必要があります。
災害を防止する為の法律ですので、安全が確保されているかをチェックしているんですね。

何が技術基準として設定されているかよくチェックしておきましょう。

そのため、答えは【正しい】です。
基礎問題です。


③の解説:正しい

【問題文】
都道府県(地方自治法に基づく指定都市、中核市又は施行時特例市の区域にあっては、それぞれ指定都市、中核市又は施行時特例市)は、宅地造成工事規制区域の指定のために行う測量又は調査のため他人の占有する土地に立ち入ったことにより他人に損失を与えた場合においては、その損失を受けた者に対して、通常生ずべき損失を補償しなければならない。

宅地造成等規制法 第7条第1項(土地の立入り等に伴う損失の補償)
都道府県(指定都市又は中核市の区域内の土地については、それぞれ指定都市又は中核市。以下この条及び第九条において同じ。)は、第四条第一項又は第五条第一項若しくは第三項の規定による行為により他人に損失を与えた場合においては、その損失を受けた者に対して、通常生ずべき損失を補償しなければならない。
これは、知っているか知らないかというよりは、常識的に考えて「他人に損失を与えた」のであれば、その「損失は補償」するのは当然ですよね。

なので、答えは【正しい】です。


④の解説:正しい

【問題文】
宅地造成等規制法第8条第1項本文の許可を受けた宅地造成に関する工事が完了した場合、造成主は、都道府県知事(地方自治法に基づく指定都市、中核市及び施行時特例市にあってはその長)の検査を受けなければならない。

宅地造成等規制法第13条第1項(工事完了の検査)
第八条第一項本文の許可を受けた者は、当該許可に係る工事を完了した場合においては、国土交通省令で定めるところにより、その工事が第九条第一項の規定に適合しているかどうかについて、都道府県知事の検査を受けなければならない。
宅地造成規等制法の許可申請手続き
申請から、完了検査までの流れを抑えましょう。
机上申請内容のチェックだけでは、申請内容と同一の施工がされたかどうかは、分かりませんよね。その為、完了後の検査を行い安全なものになっているかをチェックしているということです。

そのため、答えは【正しい】となります。
基礎問題です。

 

<まとめ 正解:1>
①は、基礎問題です。
②は、基礎問題です。
③は、常識的に解ける問題です。
④は、基礎問題です。

宅地造成規制法とは、何が目的で、その目的を履行する為にはどのような手続きをする必要があるのか?ということを理解していれば、楽々問題を解くことが出来ます。やみくもに【暗記】するのはやめましょう。

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