令和2年(2020年)12月

令和2年(2020年12月)問26 業務に関する規制【宅建過去問】

 

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令和2年(2020年12月)問26<業務に関する規制>

次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。

  1. 宅地建物取引業者は、建物の売買に際し、買主に対して売買代金の貸借のあっせんをすることにより、契約の締結を誘引してはならない。
  2. 宅地建物取引士は、自ら役員を務める宅地建物取引業者が宅地建物取引業に関し不正な行為をし、情状が特に重いことにより免許を取り消された場合、宅地建物取引士の登録を消除されることとなる。
  3. 宅地建物取引業者は、建築工事完了前の賃貸住宅について、借主として貸借の契約を締結してはならない。
  4. 宅地建物取引業者は、10区画以上の一団の宅地の分譲を行う案内所を設置し、当該案内所において売買の契約の締結をし、又は契約の申込みを受ける場合は、当該案内所にその業務に関する帳簿を備え付けなければならない。  

 

解答

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①の解説:誤り

【問題文】
宅地建物取引業者は、建物の売買に際し、買主に対して売買代金の貸借のあっせんをすることにより、契約の締結を誘引してはならない。

宅地建物取引業法 第四十七条(業務に関する禁止事項)
1.宅地建物取引業者は、その業務に関して、宅地建物取引業者の相手方等に対し、次に掲げる行為をしてはならない。
 イ 第三十五条第一項各号又は第二項各号に掲げる事項
 ロ 第三十五条の二各号に掲げる事項
 ハ 第三十七条第一項各号又は第二項各号(第一号を除く。)に掲げる事項
 二 イからハまでに掲げるもののほか、宅地若しくは建物の所在、規模、形質、現在若しくは将来の利用の制限、環境、交通等の利便、代金、借賃等の対価の額若しくは支払方法その他の取引条件又は当該宅地建物取引業者若しくは取引の関係者の資力若しくは信用に関する事項であつて、宅地建物取引業者の相手方等の判断に重要な影響を及ぼすこととなるもの
2.不当に高額の報酬を要求する行為
3.手付について貸付けその他信用の供与をすることにより契約の締結を誘引する行為

この問題は、実務をしている人はすぐわかったかもしれません。
基本的に宅建業法では、宅建業者が不動産の取引を急かせるような一定の契約締結誘引行為は禁止されています。

具体的には、「手付金の貸付け」「後払い」「分割払い」などです。

今回の問題であるのは【売買代金の貸借のあっせん】です。
具体的にどういうことかというと、銀行の紹介です。

不動産を購入する場合、融資を活用して購入することがほとんどですが。
ほとんどの人が銀行との繋がりがないので、不動産会社から銀行を紹介を受けて契約する流れが多いのです。なので、銀行の紹介は一般的な不動産会社の業務の一部ということです。
これが出来ないと、顧客もこまりますね。

そのため、答えは【正しい】となります。
基礎問題ですが。【売買代金の貸借のあっせん】=【銀行の紹介】というイメージが出来たかどうかがポイントですね。

②の解説:正しい

【問題文】
宅地建物取引士は、自ら役員を務める宅地建物取引業者が宅地建物取引業に関し不正な行為をし、情状が特に重いことにより免許を取り消された場合、宅地建物取引士の登録を消除されることとなる。

一定の理由で免許取消を処分を受けた場合の「登録の欠格事由」

宅建士の登録消除に関する問題です。
ポイント①まず免許取消処分された場合、宅建士の登録が消除されるということ。
ポイント②その場合、免許を受けた者だけでなく役員であったものの登録も消除されるということ。
この2点が、分かっていれば解ける問題です。

具体的な流れや日数などは、上記を確認下さい。
免許を受けた者だけではなく『役員』も責任があるということです。
一方で『政令で定める使用人』までは含まれないので注意下さい。

そのため、答えは【正しい】です。
欠格事由の問題は複雑に感じるかもしれませんが。
すごく単純に考えると「悪いことをしたら、免許も宅建士も無くなる」といいうことです。
その概略を踏まえたうえで細部の【誰が?】【どういうときに?】という情報を頭にいれましょう。こうした思考が勉強のコツです。


③の解説:誤り

【問題文】
宅地建物取引業者は、建築工事完了前の賃貸住宅について、借主として貸借の契約を締結してはならない。

宅建業の対象となる取引

そもそも自ら貸主の場合、宅建業法の規制は受けません。
建築工事完了前でも賃貸借契約は可能です。

そのため、答えは【誤り】です。
基礎問題です。

でも、もし媒介の場合だったらどうでしょうか?
これも貸借の場合であれば、媒介することは可能です。

ポイントとなるのは、【売買・交換】の場合です。
建築工事完了前において、「建築確認後」であれば売買・交換における媒介は出来ますが。
「建築確認前」ですと、売買・交換における媒介をすることは出来ません。


④の解説:誤り

【問題文】
宅地建物取引業者は、10区画以上の一団の宅地の分譲を行う案内所を設置し、当該案内所において売買の契約の締結をし、又は契約の申込みを受ける場合は、当該案内所にその業務に関する帳簿を備え付けなければならない。  

事務所等に必要なもの

帳簿を備える必要があるのは、案内所ではなく事務所になります。
そのため、答えは【誤り】です。
基礎問題です。

<まとめ 正解:2>
①は、基礎問題です。
②は、苦手な人が多いかも
③は、基礎問題です。
④は、基礎問題です。

②も、基礎問題ですが。苦手な人が多いかもしれません。
それでも大枠を理解していれば解ける問題です。
もし、②が分からなくても他は、優しいので消去法で②に出来ると思います。

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