毎年20万人もの人が受験する超人気資格
それが『宅建』
なぜ、そんなにも多くの人が宅建の資格にチャレンジするのか?
宅建士になるとどんな仕事が出来るのか?
宅建士の資格を取得するとどんなメリットがあるのか?
宅建士とは
宅建とは、「宅地建物取引士」の略
「宅地建物」=不動産、「取引」=そのまま、「士」=専門家
ようは、不動産取引の専門家を示した資格です。
宅地建物取引業法 制定 秘話
宅建業法が制定されたのは昭和27年(1952年)
戦後未曾有の住宅不足がその最大の要因でした。
一般の宅地建物の需要が拡大し、宅地建物の取引が激増しました。
しかし、宅建業法が制定されるまでは、知識や経験もない者や犯罪歴がある者までが業界に参入した結果、悪事を働く業者も少なからず存在しました。
そこで、宅地建物の取引に関する規制の必要性が高まり、
「宅地建物取引業法」が制定されました。
宅建士は、不動産業界で活躍する資格として認識している人が多いと思いますが。
どんな仕事をしているのかの一例をお伝えすると。
土地や建物の売買や賃貸の仲介です。
売買であれば、売主と買主の取引をお手伝いする。
賃貸であれば、貸主と借主の取引をお手伝いする。
そうした仕事です。
不動産の取引は高額な取引になることが多いため、取引を行うには、不動産の専門的な知識や経験が必要になります。当然一般のお客様にはそうした知識がありませんので、そこを不動産の専門家である「宅建士」がお手伝いすることで、安心して取引できるようにしています。
そういった意味では、宅建士は責任の大きい仕事になりますが、その分「やりがい」のある仕事と言えます。
宅建士しかできない仕事とは(独占業務)
資格にもいろいろ種類がありますが。
宅建士には「独占業務」があるというのも人気がある理由の一つになるでしょう。
「独占業務」とは、宅建士の資格を持っている人でないとできない業務のことです。
では、これからどんな独占業務があるのか見ていきましょう。
①重要事項説明(35条書面)
顧客が、不動産を購入したり、借りようとするときに、物件や取引条件などについて、事前に知った上で契約をしたいですよね。契約をした後で「こんなの聞いてないよ!?」なんて条件があったら嫌ですよね。
そこで、契約をおする「前に」行うのが重要事項説明です。
重要事項説明とは、物件の取得(賃借)を考えている者に対し、判断材料を与えるのが目的です。
例えば、猫を飼う予定でいたのにその物件はペット不可だったとか。
購入しようとしている土地に家を建てようとしていたのに、建築不可の土地だったとか
その部屋は、数カ月前に殺人事件があった部屋だったとか。
こうした「え~!」と思うことだけでなく、どのような法的規制があってどのような設備があって、どのような条件で取引をするのか?ということを買主(借主)に説明することで、安心して取引が出来るようになるわけです。
この説明ができるのが不動産の専門家『宅建士』の独占業務になります。
不動産について何も学んでいない素人では、不安ですよね。
※ちなみに、「売主」や「貸主」(所有者側)には、説明する必要はありませんし、
相手が宅建業者の場合は、書面の交付は必要ですが、説明は不要です。
②重要事項説明書(35条書面)への記名・押印
重要事項説明は口頭のみでは、いけません。
分量としても多いですので、それだけの量を口頭だけで素人の人がすべてを把握するのは無理がありますよね。
そこで、書面を作成して交付する必要があります。
その時に、その書面に書かれている内容に対して宅建士は「責任を持つ」という意味で宅建士が名前を記名・押印する必要があります。
そして、それをすることで「重要事項説明書」を説明したということになります。
宅建士が行う独占業務として、実際に説明することと、その内容に対して責任を持つ「記名・押印をすること」がセットになっているということです。
③契約書(37条書面)への記名・押印
重要事項説明が終り買主(借主)が納得できたので、次に契約になります。
先ほどの、重要事項説明については、宅建士が「説明」をしなければなりませんでしたが。
契約については、宅建士が説明する必要はありません。
例えば、資格を持っていない別の人が契約を説明することも可能です。
※法律上、そもそも契約書の説明義務はありませんが実務上、行うことがほとんです。
なので、新人の無資格者は、先輩の取引の契約の時に、練習として契約書を読ませたりすることもあります。
とはいえ、宅建士のみがその契約書へ記名と押印をすることが出来ます。
不動産の専門家である『宅建士』がその契約書の内容をチェックして問題ないことを確認していますよ。ということを示しているわけです。
宅建士に向いている人・宅建士に求められるスキル
正確に業務を遂行できる人
重要事項説明や契約書などの業務がありましたが。
その内容は、様々な法律を理解しながら役所や法務局等で調査を行い、書面に記載していく必要があります。
「調査漏れ」「記載漏れ」などがあると大きな問題を起こしかねません。
そのため、宅建士は丁寧に正確に調査を行う必要あるのです。
また、契約手続きから決済手続きまで業務のスケジュールも緻密に計画する必要があります。売主・買主・関係仲介会社・司法書士・土地家屋調査士・銀行などなど。
様々な関係者との調整を行う必要があります。
実際に、決済で忘れもがあり決済が出来なくなるなんてこともありえます。
先を見据えて慎重に段取りを組み遂行できる力が必要になるでしょう。
コミュニケーション能力が高い人
宅建士の主な仕事の一つは、売主と買主、貸主と借主を繋げることです。
売りたい!貸したい!もしくは、買いたい!貸したい!
という人がいなければ、仕事になりません。
ということは、人との繋がりが重要になります。
人との繋がり・信頼関係を築くことができるコミュニケーション能力が必要になります。
とはいえ、ただ仲良くということではなく。
時には、交渉したり、分かりやすく説明したりと、その場に応じた対応できる力が求められます。
不動産に興味がある人
不動産の知識は本当に奥深く膨大です。どんな取引も出来る。本当に良い取引が出来るようになろうとすると、一生学び続ける必要があります。
宅建士の資格があれば、それでOK!
というだけでは、不動産業界では厳しいです。
むしろ、宅建士の資格をとるのがスタートで、そこからさらに学び続けていくには、「不動産に興味がある」ことは大きな強みになるでしょう。
興味があれば自然と知識が付いてきます。
宅建士に向いていない人はどんな人?
雑な人
細やかな気配りが出来ない人は、向いていないでしょう。
重説や契約書などの記載ミス、説明不足。
こうしたことは、致命的になりかねません。
コミュニケーションが苦手な人
そもそも顧客とのコミュニケーションが仕事のスタートになります。
それが出来なければ、仕事になりません。
また、人と話すのが苦手な人は、相手が何を心配しているのか。
何を求めているのかを見落としかねません。
それによって、取引に不備が生じることもあります。
土日に休みたい人
一般の人を対象とした不動産取引であれば、顧客が休みの時にお会いすることが多くなります。そのため、土日が仕事のメインになることが多くなりますので、土日は休みたいと考えている人にとっては、向かない仕事になるかもしれません。
宅建士が人気の理由 7選!
宅建士が人気の理由 1.年収up
必ず年収が上がるとは、言い切れませんが。
不動産業界(営業職)、固定給に加えて成果報酬(歩合給)であることが多いです。
そのため、年収の高い人では1,000万円以上もらえている人も多くいます。
営業力を駆使して年収1,000万円以上を目指すのであれば、宅建士はチャンスのある資格といえるでしょう。
宅建士が人気の理由 2.就職や転職に有利
宅建士の資格は、不動産会社には5人に1人いなければいけないルールがあります。
そのため、宅建士の資格があるだけで、ない人と比べると就職や転職に有利になるのです。
そのため、専業主婦の人なども、子供が独立して時間が出来たので働きたい!
でも、働くための知識や経験がない・・・といった場合でも宅建士の資格をもっているだけで、優遇してもらえることがあります。
宅建士が人気の理由 3.独立開業ができる
宅建業は、在庫を持たなくてもいい。
事務所も、簡素化でOK
なので実は、すごくコストが低くても独立開業出来る仕事なのです。
仕事を覚えて人脈ができたら独立を目指すのも手!
宅建士が人気の理由 4.資格手当がつく
不動産会社などの会社では、宅建士の資格をもっているだけで資格手当がつくことが多くあります。
相場は、月1万円~3万、高額なところは月5万円なんてところも。
月3万んであれば、年間36万円です!
それだけ、資格を持っていることが重要になります。
宅建士の人気の理由 5.法律の知識が身につく
宅建士になるために勉強すると、民法・宅建業法・建築基準法・税法などなど。
様々な法律知識を身につきます。
法律は、世の中を上手にわたっていくための【ルール】です。
【ルール】を知っているか知っていないかでは、知っていた方が断然有利です。
特に、住宅については、生活において重要といわれる【衣食住】についてもっとも【お金】がかかる分野です。
その住についての知識がつくことは、仕事だけでなくプライベートにおいても様々な恩恵をもたらすことでしょう。
宅建士の人気の理由 6.圧倒的自信がつく
宅建士の資格は、簡単に取得できる資格ではありません。
合格率は15%の国家資格です。
受講者の中には、何年も受験したが合格出来ない人も数多くいます。
そんな中、合格して宅建士という国家資格を得ることが出来たことは、それだけ自分が頑張ることが出来る。やりきることが出来る。という自信になるでしょう。
自信がつくことで、さらなるチャレンジが出来るようになり。
益々充実した毎日を送ることが出来るようになります。
宅建士の人気の理由 7.学習習慣が身につく
宅建士に合格するには、最低でも3カ月以上、人によっては1年間という期間を毎日勉強しなければなりません。
勉強習慣がない人にとっては、なかなか出来ることではありません。
しかし、宅建士にチャレンジされた方は、こうした学習習慣を身に就くことが出来ています。
学習習慣があれば、これから新たな情報を得なければならないとしても、抵抗なく学び続けていくことが出来るでしょう。
今の私たちの時代は、ものすごいスピードで変化していく時代です。
だからこそ新しい知識を学び続けていかなければならないのです。
宅建士を学ぶことをきっかけに学習習慣が身に就くことができたら、それは大きな力になるでしょう。
宅建士の将来性は明るい?
将来の不動産需要は?
結論から言うと将来は明るいです。
これから少子高齢化で、人口減少していくと言われていますが。
それでも不動産に関わらない人は、誰一人としていません。
むしろ、これからライフスタイルは多様化していくことにより、様々な不動産の活用がされていくことになるでしょう。
活用方法が増えればその分不動産の取引件数は増えていくと考えれます。
そのため、宅建士の将来性は明るいと言えます。
空き家問題に商機!
今、空き家が問題になっているのはご存知でしょうか?
平成30年度の住宅・土地統計調査では、全国の空き家率は13.6%
何も利用されない不動産が、長年にわたって放置され老朽化が進んでいるものも多く、火災や防犯上の面から見ても、問題視されています。
そこで、そうした使われていない不動産の新たな活用や流通が促されれば、市場は活性化していくわけです。
不動産には、まだまだ様々な問題を抱えていますが。
しかし、それを解決することが出来れば、それが大きなビジネスチャンスに代わるのです。
AIには出来ない仕事
銀行員、税理士、スーパーやコンビニのレジ打ちなどなど。
これから様々な分野でAIが導入され、仕事がなくなってしまう!
と言われていますが。宅建士はどうでしょうか?
宅建士は、その点そういう心配は少ないです。
なぜならば、宅建士の仕事の大部分が【コミュニケーション】から生み出されるもだからです。
AIの導入は、むしろ顧客とのコミュニケーションをきめ細やかにしていくためのサポートして使われ、より良いサービスが提供できるようになっていくでしょう。
さらにアップデートするならダブルライセンスの取得
賃貸不動産経営管理士
賃貸不動産経営管理士は、2021年4月21日に発表された国土交通省令にて、国家資格となりました。
賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律(以下、法律)における、管理戸数200戸以上の賃貸住宅管理業者に管理事務所毎への1名以上の設置が義務付けられる業務管理者について、その要件として定められたことによるものです。
令和2年までの賃貸不動産経営管理士試験に合格し、令和4年6月までに資格者登録を行った賃貸不動産経営管理士は、法律が施行される6月15日から1年間の期間限定で行われる「業務管理者移行講習」を修了することで業務管理者の要件を満たし、現在、取得している賃貸不動産経営管理士資格が、法体系に基づく「国家資格」となります。
管理業務主任者
マンション管理業者が管理組合等に対して管理委託契約に関する重要事項の説明や管理事務報告を行う際に必要な国家資格者のことです。
マンション管理士
マンションの管理に関する専門的知識を持って管理組合の運営や、大規模修繕工事等の建物に関わる技術的な問題など、マンションの維持・管理に関する助言や指導といったコンサルティング業務を行う専門家です。
FP(ファイナンシャルプランナー)
家計にかかわる金融、税制、不動産、住宅ローン、保険、教育資金、年金制度など幅広い知識が必要になります。これらの知識を備え、相談者の夢や目標がかなうように一緒に考え、サポートする専門家
行政書士
行政へ許認可申請が必要な場合の書類作成、官公署に届ける書類に関する相談業務などを行う法律の専門家
土地家屋調査士
不動産の表示に関する登記につき必要な土地又は家屋に関する調査及び測量を行う専門家
不動産鑑定士
地域の環境や諸条件を考慮して「不動産の有効利用」を判定し、「適正な地価」を判断します。つまり、不動産鑑定士は、不動産の価格についてだけでなく、不動産の適正な利用についての専門家