令和2年(2020年12月)問33<営業保証金>
宅地建物取引業法に規定する営業保証金に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 宅地建物取引業者は、事業の開始後、新たに従たる事務所を設置したときは、その従たる事務所の最寄りの供託所に政令で定める額の営業保証金を供託し、その旨を免許権者に届け出なければならない。
- 宅地建物取引業者は、主たる事務所を移転したためその最寄りの供託所が変更した場合、国債証券をもって営業保証金を供託しているときは、遅滞なく、従前の主たる事務所の最寄りの供託所に対し、営業保証金の保管替えを請求しなければならない。
- 宅地建物取引業者は、免許の有効期間満了に伴い営業保証金を取り戻す場合は、還付請求権者に対する公告をすることなく、営業保証金を取り戻すことができる。
- 免許権者は、宅地建物取引業者が宅地建物取引業の免許を受けた日から3月以内に営業保証金を供託した旨の届出をしないときは、その届出をすべき旨の催告をしなければならず、その催告が到達した日から1月以内に届出がないときは、当該宅地建物取引業者の免許を取り消すことができる。
解答
①の解説:誤り
【問題文】
宅地建物取引業者は、事業の開始後、新たに従たる事務所を設置したときは、その従たる事務所の最寄りの供託所に政令で定める額の営業保証金を供託し、その旨を免許権者に届け出なければならない。
営業保証金の供託場所
本店(主たる事務所)の最寄りの供託所
事務所を増設する場合(支店を増やす)
営業開始後に宅建業者が「事務所(=支店)」を「増設」した場合には、その増設した事務所分に相当する額(1か所500万円)を供託し、その旨を免許権者に届け出なければ、この事務所で業務を開始することができません。
手続の流れは、その通りですが。
「従たる事務所の最寄りの供託所」ではなく、「本店(主たる事務所)の最寄りの供託所」であるため、答えは【誤り】です。
基礎問題です。
②の解説:誤り
【問題文】
宅地建物取引業者は、主たる事務所を移転したためその最寄りの供託所が変更した場合、国債証券をもって営業保証金を供託しているときは、遅滞なく、従前の主たる事務所の最寄りの供託所に対し、営業保証金の保管替えを請求しなければならない。
①金銭のみで供託している場合
遅滞なく、従前の供託所に対し、移転後の本店最寄りの供託所への「保管替え」を請求しなければなりません。
②それ以外の場合(有価証券のみ、金銭&有価証券)
先に営業保証金を移転先の供託所「新たに供託」
その場合、一時的に元の供託所先と合わせて「二重供託」の状態となりますが、後に元の供託所から供託金を「取戻し」することができます。
※保管換えの請求は出来ない
上記の説明にある通り、保管換えの請求は出来ません。
イメージとともに流れをつかみましょう。
答えは、【誤り】です。
基礎問題です。
③の解説:誤り
【問題文】
宅地建物取引業者は、免許の有効期間満了に伴い営業保証金を取り戻す場合は、還付請求権者に対する公告をすることなく、営業保証金を取り戻すことができる。
取戻し
宅建業者が営業保証金を供託所から返してもらうことを(営業保証金の)取戻しといいます。
取戻すために公告が必要なケース
取戻すために公告が不要なケース
考え方としては、営業保証金を取戻すことによって、不利になる相手がいるかどうかということです。いる可能性がある場合は、6ヶ月以上の期間、公告する必要があります。
そのため、答えは【誤り】です。
基礎問題です。
④の解説:正しい
【問題文】
免許権者は、宅地建物取引業者が宅地建物取引業の免許を受けた日から3月以内に営業保証金を供託した旨の届出をしないときは、その届出をすべき旨の催告をしなければならず、その催告が到達した日から1月以内に届出がないときは、当該宅地建物取引業者の免許を取り消すことができる。
供託した届出がない場合
問題文の通りです。
そのため、答えは【正しい】
基礎問題です。
<まとめ 正解:4>
①は、基礎問題です。
②は、基礎問題です。
③は、基礎問題です。
④は、基礎問題です。
全て基礎問題です。確実に得点したい問題です。