令和2年(2020年12月)問38<宅建士>
宅地建物取引士に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法及び民法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。
- ア 宅地建物取引業者は、事務所に置く唯一の専任の宅地建物取引士が退任した場合、その日から30日以内に新たな専任の宅地建物取引士を設置し、その設置の日から2週間以内に、専任の宅地建物取引士の変更があった旨を免許権者に届け出なければならない。
- イ 未成年者も、法定代理人の同意があれば、宅地建物取引業者の事務所に置かれる専任の宅地建物取引士となることができる。
- ウ 宅地建物取引士は、重要事項説明書を交付するに当たり、相手方が宅地建物取引業者である場合、相手方から宅地建物取引士証の提示を求められない限り、宅地建物取引士証を提示する必要はない。
- エ 成年被後見人又は被保佐人は、宅地建物取引士として都道府県知事の登録を受けることができない。
- 一つ
- 二つ
- 三つ
- なし
解答
アの解説:誤り
【問題文】
宅地建物取引業者は、事務所に置く唯一の専任の宅地建物取引士が退任した場合、その日から30日以内に新たな専任の宅地建物取引士を設置し、その設置の日から2週間以内に、専任の宅地建物取引士の変更があった旨を免許権者に届け出なければならない。
■専任の宅地建物取引士の不足
宅建業者は、2週間以内に新たな専任の宅建士を設置する必要があります。
■変更の届出
逆になります。
〇事務所に置く唯一の専任の宅地建物取引士が退任した場合、その日から2週間以内に新たな専任の宅地建物取引士を設置
〇その設置の日から30日以内に、専任の宅地建物取引士の変更があった旨を免許権者に届け出なければならない。
そのため、答えは【誤り】となります。
イの解説:誤り
【問題文】
未成年者も、法定代理人の同意があれば、宅地建物取引業者の事務所に置かれる専任の宅地建物取引士となることができる。
原則的には、成年者でなければ専任の宅建士になりません。
ただし、例外として下記の場合は、未成年者でも専任の宅建士になれます。
上記のため、未成年者が、法定代理人の同意があったとしても、「専任の宅建士」になることは出来ません。
そのため、答えは【誤り】となります。
ウの解説:正しい
【問題文】
宅地建物取引士は、重要事項説明書を交付するに当たり、相手方が宅地建物取引業者である場合、相手方から宅地建物取引士証の提示を求められない限り、宅地建物取引士証を提示する必要はない。
宅地建物の取得者が宅建業者の場合は、35条書面の交付だけで説明は不要になります。
なので、35条書面の交付だけでOKです。
宅地建物取引士証の提示は、35条書面を説明する際に必ず提示するものになります。
しかし、35条書面の説明がないのであれば、相手から提示を求められない限り、宅地建物取引士証を提示する必要はありません。
そのため、答えは【正しい】となります。
エの解説:誤り
【問題文】
成年被後見人又は被保佐人は、宅地建物取引士として都道府県知事の登録を受けることができない。
宅地建物取引業法18条1項12項(宅建士の登録)
※下記の場合は、宅建士の登録を受けることが出来ない。
心身の故障により宅地建物取引士の事務を適正に行うことができない者として国土交通省令で定めるもの
「心身の故障により宅地建物取引士の事務を適正に行うことが出来ないもの」イコール成年被後見人や被保佐人とまでは、宅建業法では定義していません。
そのため、必ずしも成年被後見人・被保佐人だから欠格事由で登録を受けることが出来ない。とは言い切ることができないということです。
そのため、答えは【誤り】となります。
<まとめ 正解:3>
①は、正確に数字を覚える必要があります。
②は、未成年者でも専任の宅建士になれる条件を正確に覚える必要があります。
③は、基礎問題ですが、正確に理解していないと迷うかもしれません。
④は、ひっかかる可能性があると思います。
個数問題としては、難しかったと思います。
正確な知識が求められました。