令和2年(2020年12月)問40<業務に関する規制>
宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)に規定する業務に関する禁止事項についての次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 宅地建物取引業者が、マンション販売の勧誘をするに際し、相手方から購入を希望しない旨の返事があった後に、当該勧誘を継続することは法に違反しない。
- 宅地建物取引業者は、契約の相手方に対して資金不足を理由に手付の貸付けを行ったが、契約締結後償還された場合は法に違反しない。
- 宅地建物取引業者は、契約の締結の勧誘をするに際し、理由の如何を問わず、相手方に対して当該契約を締結するかどうかを判断するために必要な時間を与えることを拒んではならない。
- 宅地建物取引業者は、勧誘の相手方が金銭的に不安であることを述べたため、売買代金の額を引き下げて、契約の締結を勧誘したとしても、法に違反しない。
解答
①の解説:誤り
【問題文】
宅地建物取引業者が、マンション販売の勧誘をするに際し、相手方から購入を希望しない旨の返事があった後に、当該勧誘を継続することは法に違反しない。
常識的に考えて一度断っているにも関わらず、何度も購入してほしいと勧誘していくことは、迷惑行為ですよね。
そのため、答えは【誤り】です。
②の解説:誤り
【問題文】
宅地建物取引業者は、契約の相手方に対して資金不足を理由に手付の貸付けを行ったが、契約締結後償還された場合は法に違反しない。
宅地建物取引業法 第47条3号
宅地建物取引業者は、その業務に関して、宅地建物取引業者の相手方等に対し、次に掲げる行為をしてはならない。
三 手付について貸付けその他信用の供与をすることにより契約の締結を誘引する行為
例えば、お金を用意せず、下見で物件を見に来た顧客に対して、本来購入意思がなかったにもかかわらず、手付金を貸し付け契約を締結させることは、強引な手段として禁じられているということです。
具体的な状況をイメージするとわかりやすと思います。
そのため、答えは【誤り】です。
③の解説:誤り
【問題文】
宅地建物取引業者は、契約の締結の勧誘をするに際し、理由の如何を問わず、相手方に対して当該契約を締結するかどうかを判断するために必要な時間を与えることを拒んではならない。
常識的に考えて、買主が購入するかどうかをいつ決めるか。なんてことは買主が決めることで売主が決めることでは、ないですよね。契約の締結を不当にせかせる行為はだめですよ。ということです。
ですが、この行為が禁止されるのは「正当な理由」がない場合に限られます。
正当な理由があれば、一定の期限までに判断をしてもらうようにすることができるということです。
そのため、答えは【誤り】です。
④の解説:正しい
【問題文】
宅地建物取引業者は、勧誘の相手方が金銭的に不安であることを述べたため、売買代金の額を引き下げて、契約の締結を勧誘したとしても、法に違反しない。
これは、単に価格交渉をしたということですね。
一般的な商売でも行われていることです。
なので、答えは【正しい】です。
<まとめ 正解:4>
①は、常識問題です。
②は、具体的なイメージが出来れば答えられたと思います。
③は、例外が思い浮かばなかった人は、ここでひっかかったでしょう。
④は、常識問題です。
③で引っかかる可能性がありますが。
④が分かれば、この問題は問題なく解けれる問題でした。